――ノアシップ艦長室

  状況こそ悪化したものの、とりあえずイレイザーの部隊を撃破した信哉達はノア

 シップを預かる艦長、月詠の元に呼び出されていた。

  所属不明の機動兵器に乗っていた、という事で詳しい事情聴取を受けているので

 ある。御剣の諜報部の調査により、3年前の記録から彼らと思われる情報が発見さ

 れたという報告があり、それにより信哉達の発言は受理された。

 「三年間も…お二人とも随分と辛い経験をなさったのですね…」

  そう告げる月詠の表情は痛々しい。現在の地球圏の混乱振りを見ればそういった

 野心を持つ組織があってもおかしくない事は承知しているが、その被害者を目の当

 たりにしたとなると、いささかショックは大きい。

 「まあ二度と戻りたくはないですけど、とりあえずこうして無事生き延びられたし」

 「俺達、それほど重くは受け止めてないんです。ですから、そんなに気を使わない
  でください」

  重くなった空気を誤魔化そうと信哉と祐一はやや余裕ぶってそう言った。

  ならば、それ以上気遣わせるのも酷だろうと月詠も表情を和らげる。

 「ではお二人は今後どうなされるおつもりですか」

  問題はそこである。御剣の諜報部はさらに二人の現状の扱いについても調べてい

 たのだが、祐一は一家揃って自宅で焼死、信哉に至っては孤児院の近くの川に落ち、

 死亡という事になっていた。

 「川に落ちて…ってもう少しカッコイイ死に方にしてくれよ…」

  そんな愚痴をこぼした信哉に思わず月詠は苦笑いした。まあそれはさておき、表

 向き二人ともその存在を社会から消された事になる。御剣の力で普通の日常に戻す

 事は可能だったが、彼らの事を考えて月詠はある提案をした。

  どうしたもんかなあ、と黙り考えていた二人に月詠はこう尋ねた。

 「お二人さえよろしければ、どうかアンリミテッドに協力していただけませんか?」








 
エクシードブレイブス 第4話
 
闘いの狼煙
 ――ノアシップ 資料室  「身体検査終了。お二人とも身体への改造等の影響は無し。また薬物等の反応も見   受けられません。お身体は健康そのもののようですね」   月詠が二人のレポートを手にそう言った。祐一は先程まで寝かされていたカプセル    ポッドから身体を起こすと壁に寄りかかって、  「念動力は下手にいじると能力が消える可能性もあったみたいだからな」   月詠に話し、信哉もそれに同意した。  「俺達のほかにも何人か同世代の奴らがいたが…俺達は念動力者ということもあっ   てまだ実験はましだったな」   信哉はその言葉にうつむいたように黙る。   今でもありありと思い出せる阿鼻叫喚の地獄。   自分よりも年若い少年少女が、失敗作と称してゴミのように捨てられる。  その途中を見かけたこともあり、表面上は平然としていたものの心の中には無念の  思いと、いずれ自分もこうなるのかという不安を抱えることとなった。   月詠は表情を曇らせたが報告を続けた。  「3年前に拉致され『アザゼル』…でしたね? そこで様々な戦闘教育を施される   と。お二人の先程のパイロット適正結果の方が出ましたが、お二人とも好成績を   収められていますね」  「まあ…結果を残せない奴らから捨てられていったからな」   信哉は低い声で呟くように言った。そんな様子に月詠はかける言葉もない。   そんな月詠の雰囲気を感じ取り、話題を変えるべく信哉は先程頼んだ調査の結果  について尋ねた。    「月詠さん、俺がいた孤児院の事なんだが…」  「そちらのほうは無事でしたよ。ただ緋神様がいなくなられたのと同時期に、そこ   を管理なさっていた方…山瀬様が亡くなられたので孤児院自体はなくなってしま   ったようですが」    「そうか…」   ただ自分が原因で孤児院自体が無くなったのではなかったので信哉はその話にほっ  と一息をついた。   育ての親が無くなってしまったことには少なからずショックを受けてはいたが…。  拉致された日、あの日の事は今でも鮮明に思い出せる。だからこそ、一つ気になる  事があるのだが、今はそれを考える時ではない。  「それでお二人とも先程の申し出の件ですが…」  二人は同時に月詠を振り返った。  「この自衛団体は御剣財閥が、連邦には属さない遊撃隊として結成したものです。   ですので資金面は問題ないのですが、いかんせん自治という名目上、パイロット   は個人の能力と自主的な参加が必要になります。ですからお二人のような優秀な、   ましてやOFとPT乗りとあってはご協力を頼まずにはいられないのです。もち   ろんお二人の自由ですが…」   先刻、月詠から告げられた事だが現在のアンリミテッドは数人のメインパイロッ  ト達が降りているとはいえ、少数の部隊であるらしい。   少数精鋭主義とはいえ、戦力不足は否めないだろう。信哉達は自分達がどれだけ  必要な状況であるかは即座に理解できた。   無論二人にとってもこの申し出はそう悪いものではない。今一番得意な戦闘技術  を生かせて、衣食住の保障があるとなれば断る余地は無いだろう。   ただ、ここで自分達を抱え込めば敵も増やす計算になる。  「俺達を追ってアザゼルがここに接触してくるかもしれないというデメリットにつ   いてはどう考えているんですか?」  信哉の問いに月詠は、  「あらそのようなことは愚問ですわ」  さも当然のようにこういった。  「このアンリミテッドは御剣財閥当主が浮世の悪を滅するために結成なさったので   す。そのような組織が存在しているというのにどうして見過ごすことなどできま   しょう」  なるほど、と祐一達は思った。     この人たちは本当に自衛団なのだ。連邦のような腹黒さも、アザゼルのような打  算的なことは微塵も感じられなかった。ただ、現状を見過ごす事を由としない。故  に彼らは戦っているのだ。  「それにこう言ってはなんですが、貴方達を普通の日常に戻す事は十分可能ですが   それで『アザゼル』から逃れられるわけではありません」      当然だ、彼らの情報網を持ってすればそれぐらいはすぐに調べられるだろう。逆  に言えば、信哉達にはここに残る事がもっとも安全だと月詠は暗に告げていた。   勿論、それを交換条件にしたわけではない。信哉達が戦うのは嫌だが、ほとぼり  が冷めるまで匿ってほしいと申し出たならば月詠もそれを受けただろう。   だが、そんな考えは二人の頭に全くと言っていいほどなかった。調査の間、聞か  された地球の現状。   バフラム戦役以降、落ち着きのない地球の情勢、自分達と同年代の者たちが戦争  に参加している現実。今、剣を持つ者は戦う事を求められている。   その程度で臆病風に吹かれる様な二人ならば、脱走などしなかっただろう、二人  の答えは最初から決まっていたのだ。  ――ノアシップ 食堂    「というわけで本日付でアンリミテッド所属になった相沢祐一です」    「同じく、緋神信哉です」   かくして二人は数名のクルーやパイロット達の前で挨拶を食堂した。新たな仲間  の乗艦をクルー達はそれを拍手で迎えた。   自己紹介や歓迎の挨拶などもそこそこに食堂では小さな宴が始まったのである。  「そういえば祐一、お前のフラムベルクだけど…」  「ん?」     武が料理をつまんでいた祐一に話しかける。フラムベルクの事、と聞いて傍にい  た信哉も何の話だ? と二人の会話に加わった。  「右半身が完全に大破してるから、別物に作りかえるけど構わないか、って」  「ああ、いいよ。T−LINKシステムは生きてるんだろ?」  「それは問題ないって。だけど香月博士…アンリミテッドの技術顧問なんだけどさ   お前らのあのシステム、殆ど意味がないくらいだって言ってたぞ?」  「その事か」   祐一はグラスのジュースを一口飲んで、話を続ける。  「飼い犬に手を噛まれないようにしてたのさ。あんまり上等の奴をつけといて一回、   被験者に逃亡されてるからな」  「ふん…成る程な」   大変だったなお前ら、と武は言った。その痛み、苦しみはその人間だけのものだ、    同じ苦しみを味わっていない人間にかけられる言葉などいくつもない。   だが、気にするなよと信哉達は頷いた。武はそこで何かを思い出したらしく今度  は信哉に向かって、  「そういえばお前の機体の…えっとOF? サブウェポンプログラムをインストー   ルしておくってさ。T−LINKシステムももう少し上質の物に変えるって聞い   た。ただ二人の能力にもよるから、当分はデータ採取の方が目的だとさ」  「構わないさ。いきなりフルで使えって言われても使えないからな」  「俺達は落ちこぼれだからなあ」   信哉と祐一は顔を見合わせて笑った。武は不思議そうに二人に尋ねた。  「お前らぐらいのパイロットが落ちこぼれ? 冗談だろ」  「いや技術というよりはサイコドライバーとしての資質さ。俺は外部に働きかける   念動力…それも攻撃に特化したタイプの能力者だからな。機体の操作の補佐とか   遠隔操作兵器の類は殆どダメなんだ」     信哉はそう言って手を振っておどける。祐一は苦笑いをして、  「俺は全体的に能力不足だな。一通りこなせるが、サイコドライバーとしては至っ   て平均的な能力しか持ち合わせてない。多少使えるパイロットってところが関の   山さ」   そう自嘲した。武はこの二人が想像の出来ない範囲で苦しんでいたのだろう事を    二人の顔から察した。それこそ武の思い込みかもしれないが、この二人が何も苦痛  を味わなかったはずはない。  「よし、だったら生き残る為には腕を磨かなきゃダメだな。明日ッから俺が特訓し   てやるぜ。徹底的にのしてやるぜ、この武様がな」     信哉と祐一はおどけた様に言う武に一瞬きょとんとしたが、すぐに武の意図を察  したのか、にやりと笑った。  「上等だ、参りました信哉様って言わせてやるから覚悟しろ」  「ああ? 二人揃って何言ってるんだ? お前ら二人が俺に頭を下げるのが   目に浮かぶぜ」  「二人揃って…いい度胸じゃねえか。明日は俺の戦術機の前にひれ伏すってのによ」   ふっふっふ、と顔を見合わせて笑う男三人。傍から見たらちょっと、いやかなり  危ない光景だ。何事かと気になった往人は近くにいた冥夜に尋ねた。  「御剣、あれは一体何の集まりだ?」  「わからぬ…だが、武があの二人に気を使ってした事だというのは判る。だから特   に危ない事ではないと思うぞ」  「ふーん…そんなもんかね」     一部始終を見ていた冥夜が微笑ましげに三人を眺めているのに対し、事情の知ら  ない往人は不思議そうにそれを見ていたのだった。    ――ノアシップ 艦長室   信哉は後片付けを済ませ、月詠の元へと向かっていた。ノックをすると「どうぞ」  の声と共にドアがプシューと音を立て横に開く。  「すいません月詠さん。少し相談があるんですが…」    「あら? 何でしょう」  月詠は椅子だけ回転させて信哉に向き直った。緑のロングヘアーをまとめ、指揮官  用のスーツを粋に着こなすその姿はまさに凛とした大人の女性だった。  人形めいた同じ境遇の少年少女達や、まるで狂ったような科学者達に囲まれていた  研究所にいたころとは違い華やかなので信哉は少し目移りしたようだった。  と、そのような贅沢な悩みは口に出さず、信哉は  「あの…あそこの孤児院にいた人間がその後どうなったかというのは調べられませ   んか?」    「ご友人の行方を知りたいのですか?」  「ええ、もっとも付き合いの長かった奴は一人しかいませんけど…」  「せめてその方くらいには無事を告げたいという事ですね」  「そうですね。自惚れかも知れませんけど、もしあの時心配してくれるといったら   多分あいつだけです」   信哉は少し照れくさかったがかまわず続けた。   一つ年下で、何をするにもくっついてきた少女。  会いたい、というわけでもないが無事が確かめられればそれでいいと、信哉は考え  ていた。  「実はそう仰るかと思いまして、既に調査の方は済ませてあるんですよ」  「え?」  「こういう時は、身近にいた人間に会いたくなるというものが人情ですから。それ   でどなたの事をお尋ねになられますか?」  「…佐伯、真理奈という女の子の事を」  「佐伯…佐伯…」   数枚のレポートをめくり、月詠はその中から一枚を取って渡す。  「こちらが佐伯さんの近況をまとめたものです」  「どうも…」   礼を言って信哉はそのレポートに目を走らせる。そこには思いもしない事実が書  き記されていた。   孤児院が経営者不在でつぶれた後、彼女は連邦軍のパイロット養成スクールへと  自主入学を果たし、現在は連邦軍所属の部隊デュランダルに配属されている、と。  「デュランダル…!? 軍属だって…あいつが…?」   一体彼女に何があったのだろうか。最後に出会ったのは彼女が14歳の時である。   幼少の頃に比べベタベタする事はなくなったものの、やはり信哉の後をついて明  るく笑っていたような少女だった。   そんな過去を振り返れば振り返るほど、今の彼女が結びつかなくなる。信哉は自  分の知らない間に幼馴染の少女にどんな心境の変化が起こったのか、一抹の不安が  募る。  (まさか…あの日の事を気にして…?)   考えられない話ではないが…それがパイロットに志願するのと繋がるだろうか?  どちらにせよ本人に会わない限り、結論は出ない。深刻な顔をする信哉に、月詠は  静かに言った。  「デュランダルですか…でしたらそう遠くない内に会えますよ、信哉様」  「えっ、どういう事ですか?」  「連邦軍独立遊撃部隊デュランダルは、現状の連邦軍とは違い特別な権限を持つ特   殊部隊です。志を同じくしているアンリミテッドとは言わば共同部隊とも言える   存在です」  「そうなんですか…。しかしそんな部隊の存在をよく連邦が許しますね。そんなに   今の連邦は物分りがいいんですか?」     誘拐に遭う前の連邦のイメージしか知らない信哉だったが、もしそこから何も変  わってないのであれば、そんな部隊の存在など認めようともしないはずだがと信哉  は疑問を抱いた。  「いいえ、おおよそ昔と変わっていませんね。ただそこの部隊を率いる方が一枚も   二枚も連邦の上層部より上だからですよ」  「そりゃ凄いですね。権力欲の塊のような連中を黙らせるなんて。軍を自分の手足   同然にすら思っているような奴らなんでしょう?」  「ええ、あの方がいなければアンリミテッドも随分と連邦に目をつけられたと思い   ますよ」  「でしょうね…。それで今デュランダル隊はどこへ?」   尋ねられた月詠は机の上にある書類の中から別のレポートを取り出した。  「現在は…宇宙の方で戦線を展開していらっしゃるようですね」  「そうですか。そういえば、そんな部隊を率いているのは一体どんな人なんですか?」   信哉の問いに月詠は答えた。  「ええ、その方も私と同じ女性の方なんですが…」  ――ノアシップ リビング  「…だってさ祐一。凄い人もいたもんだなあ」  祐一は信哉から教えられたそのデュランダルの武勇伝の一部を聞いて口が開いたま  まになっていた。  「なあ信哉、悪いがその人の名前をもう一度言ってくれ」  「ん? だから水瀬秋子って言う女の人だって」  「間違いないんだな?」   ガクガクと信哉の肩を揺さぶり、祐一は興奮して尋ねる。  「あ、ああ。間違いないって、どうしたんだよ一体…」  「その人…多分俺の叔母さんだ…」  「は?」   間の抜けた返事を返した信哉に祐一は神妙な面持ちで言葉を続ける。  「前に連邦軍を寿退職したって聞いた事あるし…間違いない」   そんな事を言いながら祐一は昔の事を思い出していた。記憶に残っているのは七  年前の日、そしてそれから休みの度にあの町を訪れたときだ。   よく眠る従兄妹、懐いているんだが嫌われているんだかよくわからない妹分、そ  して、元気に雪の中を一緒に走り回った女の子。それを優しい微笑で見守っていた、  叔母。 あの微笑を絶やさなかったあの叔母が、連邦の腐った権力者どもを歯牙に  もかけず、遊撃部隊を率いているなどとは誰が思うだろうか。   十数年前から戦乱の予兆があらわれ始めニ年前にはバフラム戦役が始まり、宇宙  圏を中心にまた騒がしくなったため地球は再び鋼鉄の機神たちが飛び交う世界へと  なったのである。いまや形式や記録だけでしか残っていなかったMSなどが再び世  に現れ始め、軍備増強に伴い100年以上もの月日を経て再び始まった新型の機動  兵器の開発やPT再開発計画など。封印されしばらく日の目を見なかった兵器達は、  長き眠りから覚まされた。そして瞬く間に浸透したのである。   地球は再び戦乱の内に巻き込まれたのだった。そう考えれば叔母が再び呼び戻さ  れたかあるいは自ら戦火の中へ舞い戻った可能性も無くはないのだが、と祐一は考  える。  「一体何があったんだろうな…」  「まさか無理やり連邦に召集されたとか?」   先程から考えている祐一に武がそう言うが、それを否定したのは信哉だった。  「いや、月詠さんの話じゃ連邦のお偉いさん方を手玉に取ってるらしいから、自主   的に戻った、と見る方が妥当じゃないか?」  「そうだな、緋神の言うとおりであろう。でなければむしろ彼らに手足の如く使わ   れただろうしな」   その意見に冥夜も同意する。そこへ先程から黙っていた美凪が言う。  「…どちらにせよ、いずれ会えますしその時にお聞きすればよろしいのでは…?」    「んーそれもそうだな。秋子さんの事だ、深い考えがあっての事だろうしな…」   どちらにしろここで考えて結論が出るわけでもない、と祐一は考える事をやめた。  「それより、祐一。どうするんだ? 俺はこのままでいいぜ」  「何? 武、今カードチェンジしたか?」  「いいや必要ないね。さあどうする?」   挑発的な笑みを浮かべる武の手と、唸りながら武の手を見つめる祐一の手には5  枚のトランプが。   二人は男の威厳を賭けて、ポーカー勝負の真っ最中だった。何時そんな話になっ  たのかは割愛する。      結局、就寝時間が来て引き分けに終わった事をここに記しておこう。  ――ノアシップ 艦長室  「見つからなかった? ……成る程、足取りを辿られるのを恐れたのでしょうね。   わかりました、帰還してください」   月詠はため息をついて通信を切った。フラムベルク、クラウ・ソラスの飛行記録  を元に、彼らが捕われていたという孤島を探らせたのだが、調査隊の結果はそのよ  うな島は発見できない、という芳しくない報告だった。   まあ今まで水面下に隠れていたような組織だ。この程度で探り当てられるととは、    思ってもなかったが、これほど迅速な行動にも関わらず、すぐに姿を消していた事  が若干月詠には引っかかった。  (随分と手際がいい。最初からこうなる事を想定して研究所を構えているのだろう   か? どちらにせよ、一筋縄ではいかないようですね…)   いずれ必ず追い詰める。年端も行かない子供を道具の様に使い捨てる組織など、  許して置けるものではない。月詠はまだ知らぬ組織に対し、新たな闘志を誓うの  だった。                              第五話に続く

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