もしもシリーズ  〜カノン編〜




1 もしも、久瀬と佐祐理の立場が逆だったら




「では、川澄さんの弁護は出来ないと仰るわけだ」


「あはは〜、佐祐理はちょっと頭の悪い女の子ですから」


「頭悪いかどうかは関係無いと思うけどね…、とにかく、こちらには証拠もあるんだよ」


「はえ〜、そうなんですか?」


「ええ、舞踏会の一件は野良犬の仕業。その証言、写真、

さらに、現場に散らばっていた毛が犬の物だった」


「ふえ〜」


「そして、これが退学反対の署名。見ての通り100は越えている。

これだけあって、まさか無視はできないよねぇ?」


「あはは〜、さすが久瀬さん、抜かり有りませんね〜」


「証拠固めは完璧にしておく物だよ、フッフッフ」



(久瀬…、お前、いつそんな物捏造した…)←外で待つ祐一



「でも、ガラスの件もありますから」


「む…、それは川澄さんの仕業と決まった訳では」


「夜中に侵入してるだけで十分怪しいですよ」


「むむ…(ちっ、気付かれていたか)」


「あはは〜。とにかく生徒会は、弁護できないんですよ、すみません」


「それは…」


「それは不正だな。差別だ」


「ふぇ? 誰ですか?」


「あ、相沢君!」


「一人の生徒も弁護してやれないで、何が生徒会…ですか」


「女性だからって弱腰になるなよ、相沢君…」


「でも、ガラスは一度や二度じゃないですよ?」


「り、理由があるんですよ、きっと」


「はぇ〜、学校のガラス割る理由って何でしょう、佐祐理には思いつきません」


「…えーっと」


「それに、ガラスは教育社会の秩序の象徴なんですよ〜」


「…ハァ」


「それを壊すのは悪い事なんです。悪い事したら、メッですよね?


「…そうですね」



「納得するなぁーっ!!」






2 もしも、真琴が秋子さんだったら



「祐一、名雪、朝ごはんよぅ。腕によりをかけたんだからね」


「わ、私、もう学校行くよ」


「どうしたんだ、名雪の奴」


「ほら、食べなさいよ」


「……く、黒いんですけど、なんていうか全部…」


「だ、だからなんなのよぅ」


「す、すいません。俺、今日、日直なんで行きます」


「あ、待てー!」







「名雪、ああいう事は先に俺にも言っとけよ」


「あ、祐一。ちゃんと朝ご飯食べてきた?」


「食えるか! あんなモン」


「わ、それはまずいよ〜」


「どうして?」


「お母さん、ご飯食べて貰えないと拗ねちゃって、

 お風呂に「お味噌」を入れるんだよ」


「どんなお母さんだ! それは」






3 もしも、栞が北川だったら



「相変わらずギリギリね」


「おはよう、香里」


「名雪が起きなくてなぁ」


「おはようございます、祐一さん、名雪さん」


「え、誰だ?」


「昨日会ったじゃありませんか、北川潤ですよぉ」


「すまんが、俺には人の顔を12時間で忘れる特技があるのだ」


「そんな迷惑な特技を持つ人、嫌いです」


「相沢君…、一生忘れられないような思いをしたい?」


「すいませんでしたぁ!!」






4 もしも、舞が真琴だったら



「よぅ、真琴」


「……」


「相変わらずボンヤリした奴だなぁ」


「……」


「ほれ、お前の大好きな肉まんだぞ」


「……みまみま」


「もう熱は無いみたいだな、よかったよかった」


「……」







「で、あの子の異常に全く気付かなかった訳ですか。あなたは」


「う、う、だって、普段から無口だったんだもん」


「そんな酷なことはないでしょう」






5 もしも、秋子さんが名雪だったら



「あのジャム7年分で許してあげます(にっこり)」


「選ぶルート間違えたぁ!!!」






6 もしも、斉藤があゆだったら



「俺のことは忘れてくれ」


「…って言うか誰だっけ」


「な、お前クラスメートの顔も覚えてねぇのか」


「話した事も無い奴の顔なんか知らん」


「それはないだろ!うわ、体が消え始めた!」


「天使人形持ってないぞ」


「は、早く、水瀬達呼んで探してこい! 北川は絶対呼べよ!」


「うーん、男相手にそんな苦労するのはなぁ、ちょっと」


「ふざけんなぁ!! うわ、ちょっとやばい! マジ消える!」


「さよならだな、佐藤」


「斉藤だぁ!! 相沢、覚えてろよぉぉぉ……」


「お前、忘れてくれって、言ったじゃん」






7 もしも、あゆが美汐だったら



「そういうわけでね、真琴ちゃんは狐なんだよ」


「へ〜」


「あ、信じてないね、その眼は」


「ああ」


「うぐぅ、本当なんだよ。ボクも昔狐飼っててね」


「それで」


「えーっと、しばらくエサとかあげてたんだけど、

 ある時、急にワーッと大きくなってね、それからピカーッと光って」


「ふーん」


「それで、その後、人になってて、しばらくしてから、熱出して

 それから、キラキラ光る砂になっちゃったんだよ」


「うんうん、分かった分かった。あまり人前でそういう事言うなよ」


「うぐぅ…本当なんだよぉ!!」




説得力が無さ過ぎて、信じて貰えませんでした






8 もしも、北川が名雪だったら



「寒い…」


「よぉ、雪、積もってるぞ」


「2時間待ったからな」


「ほぉ、それはびっくりだ。お詫びにコーヒーをやろう」


「…なぁ」


「何だ?」


「他に言うことは無いのか」


「初CGゲッツ!」


「分かった、一発殴らせろ」


「おいおい、7年ぶりでそれは無いだろう」


「うるせぇ! 2時間待たせてそれだけか!」


「7年前、オレが作った雪うさぎ壊した仕返しだ」


「早々とネタばれすんな! それと7年も前の事、執念深く覚えてるんじゃねえよ!」


「うわ…、お前、子供時代の事、都合よく綺麗さっぱり全部忘れてそういう事言うか、

 このトラブルメーカー! 水瀬ファンに謝れ!」


「やかましいっ!」







しばらくお待ちください







「はぁ、はぁ、腕は落ちてないようだな」


「ふぅ、ふぅ、そっちもな」


「なんで、無駄な体力使ってるんだ、オレ達は」


「お前が俺を2時間も待たせたからだろうが」


「はっはっは、ま、いい。とりあえず家に行こうぜ」


「そうだな」


「なぁ」


「ん?」


「オレの名前、まだ覚えてるか?」


「そっちこそ覚えてんのか?」







「「せーの」」










「こまし屋」「アンテナ」







「「……………」」















俺たちの戦いは…






まだ、終わらない…





















おまけ 


もしも、美汐が木目沢 ネ右一だったら



「雪、埋もれてるよ」


「カ、KANOSOネタは酷というものでしょう(ガチガチ)」


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