「逃げる事は受け入れられない人がする一番の手段」
   逃げ出したいだろう。
   すべて忘れてしまいたいだろう。
   もし、それが一時でも心の傷を和らげてくれるのであれば…
  「…色々な人を見てきたけど、強い人は最後は向き合って立ち向かった。人は受け入れなければ行けない傷を背負って生きていくんだから…」
   それは正しい事だと思う。
   自分も、たくさんの死を受け入れてきた。
   大切な人を、たくさん失ってきた…
   でも…
   まだこの死を受け入れるには早すぎるのではと思ってしまう…
   それは甘さか、それとも未練か…
  「信じてあげて、彼女の力を。それだけの力が、彼女にはあるんだから…」
  







   ………………………………
   …目が覚めた。
   嫌な夢を見た。
  「…勘弁してくれ」
   もう見たくない夢だった。
   気づけば涙の跡が頬に残っていた。
   …酷い顔だろうな。


  「今日は遅刻しないで済みそうね」
  「そうだな」
   名雪は俺より早く起きていた。
   最近の名雪は珍しくきちんと起きる。
   朝食を作らなければならないのもあるかもしれない。
   大量の目覚ましが必要である点と時々やる寝坊が強烈なのが改善点でもあるが。
  「祐一、明日は土曜日だね〜」
  「なんかようやく休みって感じだな」
   最近色々あったからな…
   一週間がすごく長く感じる。
  「明日、お昼はどうするの?」
  「うーん、どうしようかな…?」
   いつもなら家で食べる所だろう。
  「たまには外で食べない?」
  「それもいいかもな」
   気分転換にはいいだろう。
  「そういえば今朝のチラシで百花屋がセールをやってるとか書いてあったよ」
  「決まりね」
  「楽しみだよ〜」
   それから学校の門をくぐるのは間もなくだった。
   休み時間、名雪が誰かに呼ばれて廊下に出た。
   呼んだのは気の弱そうな男子だった。
   見覚えがない事からすると他所のクラスの男子だと思うんだが…
  「部活のメンバーか?」
  「でも、男子よね?」
  「男子陸上部じゃないのか? 近いうちに男女で計測会やるみたいだし」
   少し気になったが、詮索するのも気が乗らなかったのでそのまま忘れておくことにした。
   頑張っている所に水を差すのもいけないしな。




  「お、高井。水瀬呼んできたか?」
  「う、うん…」
   高井君はいつも以上におどおどしていた。
   村田君は不機嫌そうで、そして申し訳なさそうな顔をしていた。
  「どうしたの?」
  「あ、ああ… 昨日の件なんだけど、一応集まったぞ」
  「本当?」
  「ああ… でも、本当にいいのか? 5人ぐらいいるんだぞ?」
  「うん。問題ないよ〜 できれば村田君や高井君にも参加して欲しいな…」
  「……うん」
  「ああ…」
   わたしは7人分の白を受ける光景を想像してみた。
   昨日よりもずっとたくさん真っ白い時間が続く。
   それはすごく嬉しいことだった。
   長い間真っ白になれる。
   何もかも忘れていられる…
   気づくと、指がお腹の下のほうに行きそうになっていた。
   …危ない、危ない。
   わたしは二人にお礼を言うと、教室に戻った。
   わたしは7人分の精液を受ける光景を想像してみた。
   昨日よりもずっとたくさん真っ白い時間が続く。
   それはすごく嬉しいことだった。
   長い間真っ白になれる。
   何もかも忘れていられる…
   気づくと、指でアソコを刺激していた。
   …危ない、危ない。
   わたしは二人にお礼を言うと、教室に戻った。
   くちっ… くちっ…
   歩くたび、僅かに濡れたアソコからエッチな音が響いた。
  「バレちゃうかな…?」
   下着に軽く触れるとそこはすでにべっとりと濡れていた。
  「う… 替えの下着あったかな?」
   購買で下着を買うと、トイレで穿き替えた。




  「名雪は今日も部活か?」
  「ごめんね…」
   本当に申し訳なさそうに頭を下げる。
  「いや、気にするな。そうだな… 俺はまっすぐ帰るとするかな?」
   早めに帰って掃除でもしておくかな。
   いつも名雪に頼りっぱなしなんだし、少しは貢献しないとな。
  「帰ったらすぐに晩御飯の仕度するから待っててね」
  「ああ」
   玄関から外に出ると、空模様はあまりよくはなかった。
  「降りそうだな…」
   まっすぐ帰ることにして正解だったかもしれない。
   俺は足早に学校をあとにした。




   教室の戸を開けると、すでに人は集まっていた。
   みんな髪を染めたり制服を着崩したりしている。
   先生が言う"不良"という人なのかな。
  「おい、マジでいいのか? 俺3日もコイてないから激しいぜ?」
   そう言ったのは村田君よりも金色の強い髪が目立つ男の人。
   背が高くてテレビに出てくるアイドルみたいな人だ。
  「後ろもいいって聞いたんだけどマジかよ?」
   こっちの人は整髪剤でウニのように尖った髪にしていた。
  「そ、その胸も… も、揉んでいいのか?」
   息を荒くしているこの人はすごく太っていて、メガネをかけている。
   3人の中で一人だけ浮いている気がする。
   集まった人はみんな楽しそうに笑っていた。
   そして、わたしはこれから起こる至福の時間を想像して発情していた。
  「はぁっ… 我慢、できない…」
   指が勝手にいじりはじめる。
   くちくちと音がしてる。
   もうこんなになっちゃってる…
  「………………」
  「………………」
   高井君と村田君は教室の隅でただ立っていた。
   二人にもして欲しいのに…
  「ねぇ… そこで見ていないで早く始めてよぉ…」
   待ちきれなくなったわたしは自分で服を脱ぎ始めた。
   途端に男の人たちがわたしに向かってきた。
   ………………


   真っ白。
   全部真っ白。
   私の体は真っ白で染まっていく。
   体の外も中も全部真っ白。
   注がれる。
   白いものが注がれる。
   満たされる…
   真っ白に塗りつぶされて満たされていく…
   ………………




  「ただいまー」
   名雪が帰ってきたのは日が完全に落ちる少し前だった。
   掃除は… 一応奮闘した。
   どれだけ成果を上げているかは名雪の査察で明らかになるだろう。
  「お帰り。どうだった? 部活は」
  「うん、久々だから少し疲れちゃったかな?」
   全然そんな風に見えない所を見るとさすがは部長だ。
   俺にはとてもじゃないが無理だろう。
  「それじゃあ、ご飯の準備するね〜」
  「ああ」
   一瞬、ちょっとした違和感があった。
   なぜか精液の匂いがしたのだ。
   …気のせいだろう。


   きっと…


   気のせいだ…
  

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