放課後、いつものメンバーで帰ろうとしていたときだった。
廊下に人だかりができていて、なにやら騒がしかった。
「ん? 人だかりができてるな」
「何かしら…?」
見ると、女教師が転んでケガをしているみたいだった。
しかも運悪く、化学の授業に使うガラス製の実験用具を持っていたらしく、割れた破片で切ってしまったらしい。
辺りには血が落ち、駆けつけた保険医が手当てをしている。
まるで、あの日の事件のようだった。
割れたガラスと一面に飛び散った血の跡。
「っ!」
途端に吐き気と息苦しさを感じた。
「ぐっ…」
こんな事で… こんな事ぐらいで… 挫けていられないんだ…!
「ぁ… ぁぁ…」
名雪の声が聞こえた。
ああ、そうだ。
俺でさえこうなったんだから、名雪が無事なわけがない。
「名雪、大丈夫か?」
気分の悪さを押し殺し、必死の思いで声を絞り出した。
「ぃゃ …っ!?」
自分を抱き、その場にうずくまる名雪。
微かに震え、目は見開かれていた。
俺より症状は重いのか…っ!
「名雪、しっかりしろ! 大丈夫だから!」
気力を振り絞って叫ぶ。
「…たい」
「ん? どうした…?」
「…忘れたいよ。思い出したくない… もう嫌ぁ…」
名雪は大粒の涙を溜め、俺にしがみついてくる。
「忘れさせてよ… 全部白くして…」
「…名雪?」
「………………」
一瞬、何を言ってるのかわからなかった。
それはどういう意味を含んでいる言葉だったのだろう。
名雪の心を分かってやれない自分が嫌になった。
それから俺たちは保健室に寄って、少し休んでから帰った。
思いのほか、名雪が早めに回復してくれたのは幸いだった。
夕飯はとてもじゃないが食べる気にはなれなかった。
名雪も同じようで、二人でそのまま風呂に入って寝ることにした。
布団にもぐり、暗い天井を見上げて思った。
…放課後の一件で、少なからずとも名雪の心に影響があっただろう。
それは歓迎すべき内容じゃない。
どうなるかはわからない。
ただ、ここ最近の乱れようと何か関係がありそうな気がする。
つい先ほど、セックスを済ませたばかりだ。
名雪が激しく求めて、自ら積極的に動いてきた。
そのせいか、名雪はすでに疲れて眠っている。
俺もかなり疲れている。このまま目を閉じれば眠れるだろう。
眠気は自然と…
その時、ふと下半身が涼しくなった。
同時に、性器を包む感触…
「っ!? 何だ…?」
「んっ、んふっ、ぴちゃっ…」
目を開けると、名雪がフェラチオをしていた。
夢じゃない。夢でこんなリアルな感覚はありえない。
今、目の前で名雪が俺にフェラチオをしているのだ。
「な、名雪… ちょっと待て、いきなりどうし… くっ!?」
「んんっ、ふぅっ、はぁっ…」
昼間のとは違った動きで、ペニスはあっという間にギンギンになっていた。
それを確認したのか、名雪はペニスから口を離した。
そして、俺に跨ると自分で性器を広げ、勃起したペニスを入り口に当てた。
気がつかなかったが、名雪はすでにズボンを脱いでいたのだ。
くちゅっ
粘液同士がくっつき、独特な音がした。
そして、そのまま腰を下ろす。
ぬぷぷっ!
粘液がこすれる音がして、ペニスは名雪の胎内に奥まで侵入していった。
「…っ」
「うっ…」
入ったのを確認してまもなく、名雪が激しく動き出した。
肌がぶつかる音、粘膜がぶつかる音が部屋中に鳴り響いた。
激しく腰を振るせいで、名雪の豊満な胸は上下に揺れる。
視覚的なエロスが新たな刺激になり、興奮をどんどんと高めていく。
隠微なリズムは止むことなく、そのスピードをどんどん上げていく。
粘液で埋め尽くされた結合部がこすれるたび、気持ちよさに呻きをあげた。
「うっ… な、名雪…?」
あまりにペースが速く、すでに射精寸前まで登りつめている。
「ちょっ、このままじゃあ膣内に…」
名雪を見て、はっとした。
「っ… っ…!!」
泣いていた。
名雪は泣きながら腰を振っていた。
「うぅ… ひぅっ… うぁっ」
何かから逃げるように、ただひたすら快楽を求めていた。
「………」
「ぃゃ、ぃゃぁ…」
その姿は悲しささえ垣間見えた。
どくんっ!どくっ…
泣きながらセックスをする名雪の中で果てた。
「ぁ… あったかい」
隙間から漏れた精液を指ですくい、舐めた。
名雪が腰を上げると萎えたペニスが抜け、膣口から精液があふれ出る。
わずかに広がった膣口から精液が流れ出る光景は見ていて気持ちのいいものではなかった。
名雪はそれをすべて手ですくい、飲み干した。
「ほしい… ほしいの… ゆういちぃ…」
虚ろな目で俺のペニスを撫でる。
射精したばかりのペニスは刺激に弱く、ちょっとしたことで強すぎる快楽が俺を襲う。
「っ!? まだ無理だって…」
「んちゅっ、ちゅぱっ…」
「くっ!? な、名雪…っ」
舌が、指がペニスを刺激する。
強すぎて痛みにならないように、慎重に愛撫の仕方を探しているように見えた。
やがて、名雪の愛撫でペニスは驚くほど早く元の硬さを取り戻していた。
「嘘だろ…」
名雪はすでに俺のツボを知り尽くしていたのだ。
それは怖くもあり、嬉しくもあった。
ただ、虚ろな目で精液を求めつづける姿はあまりに哀しかった。
「せいえき… ほしいの…」
硬くなったペニスを膣口に当て、そのまま腰を下ろした。
一気に奥まで貫き、粘膜の壁がペニスを締め付ける。
どんな上等なビデオや雑誌を使ってオナニーするよりもぜんぜん気持ちがいい。
ぬるま湯に浸かるような快楽を受け、俺は半ば眠ったまま名雪とセックスを続けた…
…それから、俺たちは昼夜場所問わずセックスをするようになっていた。
学校では空き教室やトイレなど人目の付かないところで。
家では本当に何処でもしてしまう。
さらに、外でしようと誘われたこともあった。
肌を重ねるたび、名雪は乱れた。
まるで、全てから逃げるように。
記憶を雪のような白で染めるように。
家でする時は、名雪に精液を浴びせる。
絶頂を迎えるたび、名雪が白く染まる。
むせ返るような精液の匂いの中で、名雪は微笑んでいた。
ただ、嬉しそうに。
微笑を絶やさなかった。
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