3 養護教諭――ウホッ
【1】
「う〜トイレトイレ」
今トイレを求めて全力疾走している俺は、中学校に通うごく一般的な男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、女性器があるってとこかナ――
名前は長嶺潤。
そんなわけで、あまり利用する人がいない旧校舎のトイレに向かっていたのだ。
俺の体は半分が女なため月に一度訪れる厄介な現象、それの対処のためだ。
お袋は俺の体が健康に育っている証拠だと喜んでたし、姉貴も悪ノリして赤飯炊いてはしゃいでたけど、素直に喜べるわけなかった。
当然だ。俺は男だ、男として生きたいんだ。
ナプキン、どこで換えろというのか。
男子トイレで、他の男子が傍にいるのに換えられるわけがない。まして女子トイレに行けるわけがない。
もし誰かに知られたら嫌われる。千尋さんや姉貴みたいな変わり者なんてそうそういないんだから。
ぼむっ!
角を曲がったところでふかっとしたものにぶつかり、視界を白衣に占められた。
尻餅をつき見上げると、戦争映画に出てくる女士官みたいな短髪の精悍な顔があった。
「こら、廊下を走るな!」
養護教諭の御堂先生だった。大柄で肉感的な体、男女問わず人気は高いが、それとともに恐れられてもいる。
「す、済みませ……!?」
立ち上がろうとしたとき、股間に走る違和感。
ナプキンはパンツが男物な上にチンコが邪魔になって女性の部分に密着しないせいか、ずれ易かった。
今ぶつかった衝撃でナプキンは完全に剥がれてしまい、股間から太ももへとずり落ちつつある。
「ほら、いつまで座り込んでる! さっさと立て」
御堂先生は鬼軍曹のような口調で俺の手を掴み、引き上げた。
「わっ!? ちょっと待って!」
慌てて股間を押さえるが、それが裏目に出てナプキンは太ももから裾に入ってしまった。
俺のズボンは体格の割には大きめのサイズだった。
女性的に膨らんできた俺の尻を男物のズボンで収めようとしたら、どうしてもオーバーサイズとなる。
そのため裾はゆったりとしたものになり、剥がれたナプキンがそこをずり落ちていく。
ぼとっ、という音とともに、互いに視線を下に向けた。
赤黒い色に染まった生理用ナプキンが、クリーム色をしたリノリウムの床に映える。ソレを間に挟み、お互い硬直していた。
先に硬直が解けたのは御堂先生だった。神妙な顔でゆっくりとナプキンを拾い上げる。
どう言ってごまかそう? 無理だ。俺は男なのに生理がくる異常な体だとばれてしまう。
それが自分のではないとしたら?
世の中には異性の排泄物などに興奮する手合いが居るという。
俺がそういう性癖だと、女子トイレの汚物入れを漁る変質者だと言ってごまかすか?
……いずれにせよ、身の破滅だ。
「ちょっと来い、長嶺!」
案の定、御堂先生は血相変えて俺を引っ張った。方向は……保健室?
「まったく! お前は可愛いからそういうことになってもおかしくはないが……」
怒気をはらんだ声。
可愛いって……いや、喜んでる場合じゃないぞ『女』。外見だけで、服の上からでも俺がこういう体だと判ってしまうのか?
「妊娠の心配こそないが、いくらなんでも中学生には早すぎないか?」
俺の女の部分は生理こそあるが、やっぱり男としても女としても不完全で子供は作れないのかな? そうだよな、不妊症の女の人だって生理がないわけじゃないもんな。
いや、俺は別に母親になりたいわけじゃない。それはそうと早すぎって、この歳なら生理はあってもおかしくないと思うんだが。
「所詮、マンガやゲームはファンタジーだ。現実にはあんな簡単にはいかない」
そんなの判ってる。姉貴のコレクションや作品みたいにいくわけがない。
御堂先生には怪しい噂がある。
保健室に連れ込んだ生徒を男女問わず喰ってしまうというのだ。
時折、保健室から生徒がげっそりとした顔でふらつきながら出て行く様子が目撃されている。
俺も餌食になってしまうのか? 体の秘密を知られ、それをダシに脅され……いや、俺なんかそういう対象にもなりえない。
保健室の扉が近づいてきた。
俺……どうなるんだろう。
勢いよく扉が開くと、そこには青ざめた顔の生徒が数名いた。
「よし、反省文出したらもう戻っていいぞ」
ぱんぱんと手を叩いた御堂先生の言葉に、先客たちは出て行った。
先生は扉に鍵をかける。やはり、俺は喰われるのか? 体の秘密を暴露されるのか?
恐怖に目をそらすと、そこには……。
「うげ、何なんです? これって」
脚があらぬ角度に曲がり骨が○○し腹から××が飛び出した写真。頭が○○し、△△が路面一杯に飛び散った写真。股間から太ももにかけて○○な感じで湿疹が広がってる写真。更には……女性の股間から○○を挿入し、作業の後、非常に小さな手足の形をした××が○○される動画が備品のPCの画面にエンドレスで再生されていた。
「これか? さっきの連中、揃いも揃って交通事故やら中絶やら自殺やら薬物やら性感染症やら、そういうのを軽々しく考える傾向があったのでな、私の話だけでは想像力に乏しい生徒には不十分だったようだ。そこで、副教材を用いて特別授業を行っていたのだ」
何気なく手に取ったプリントには顔面全体が酷いやけどになっている男性が写っていた。麻薬で精神に異常をきたし、錯乱して自分の体に放火してしまったのだという。他にも、中毒患者が描いたという異様な絵も載っていた。抽象画と呼ぶには禍々しすぎるものだった。
「は、はは……効果絶大……ですね……」
避妊しなかったり俗説を鵜呑みにした結果中卒で出来ちゃった結婚の末DQNとなったOBや、性感染症になっても深刻に考えずたくさんの人に伝染させたOBなど、保険の時間に御堂先生が語った話だけでも充分に危険性は理解できたが、この無修正のグロ画像が持つ説得力は絶大だった。
コレを用いた特別授業が御堂先生の妙な噂の元凶だったようだ。
「さて、話は戻るが……」
そうだった、俺の身に起きた危機は去ってはいなかった。
「お願いです。誰にも言わないで……」
「分ってる。生徒のプライバシーは尊重する。だが、生徒の健康や風紀にかかわる問題を看過は出来ない」
俺の存在自体が風紀にかかわるってのか? そんなの酷い。でも姉貴や千尋さんとあんな破廉恥なことしてりゃ問題だよな。
「そんな状態になっては手遅れかもしれないが、これからも関係を続けるならきちんとした知識を身に付けろ」
「へ? 関係って?」
「別に同性愛を否定はしない。だが、彼氏はお前のことを大切に思ってるのか? マンガやゲームじゃ速攻でぶち込んでるが、現実には拡張や洗腸、潤滑などの下準備が必要なのだぞ?」
「な! か、かかかか彼氏って、あいつはそんなんじゃ、あ、いやその、下準備って何のことです?」
「すっとぼけても仕方なかろう? 尻だ、尻。ちゃんと準備せずにやるから出血して女の生理みたいにナプキン当てる羽目になるんだ」
同性愛と尻という単語で姉貴のコレクションが脳裏に浮かぶ。御堂先生は俺がああいう行為をした結果ケツが切れたと勘違いしたようだ。
「し、尻って、俺、痔なんかじゃなくて本当に生理……って! あ、いや、そのあの」
パニクって自白してしまった、どうしよう。本当のこと、言うしかないのか?
小6のときの性教育を思い出す。
出来損ないのダッチワイフみたいなキモい人形で子作りの実演をし、男女の性器の大きな図面を広げ、その各部の名称を生徒に大声で言わせるというセクハラまがいのことを行っていた。
しまいにゃ、アンケートで初潮を迎えたと答えた女子のことを暴露していた。
あのときの養護教諭は、健康に成長している証で恥ずかしがることではない、素晴らしいことだと言っていた。
俺が初潮を迎えたときお袋だってそう言っていた、だが公衆の面前で言うことじゃない。まして、赤の他人が言うことじゃない。あの教諭はどうかしている。
あんなキ○ガイに俺の体のことを知られたら間違いなく晒し者にされる。だから、親は俺の体のことを学校に具体的には説明していなかったのだ。
この中学に上がっても、うまいこと体育の授業や身体検査は免除されている。だが、今こうして御堂先生に血染めのナプキンを見られた以上、もうごまかしようがない。
「む? お前は痔ではなく生理……?」
御堂先生は真剣な顔で思案している。覚悟、決めるしかない。
意を決して話そうとした、その瞬間。
「……なんだ、お前は半陰陽だったのか」
御堂先生はポン、と手をたたき、合点がいった顔で言った。
「な、なんで分ったんです?」
「お前は生理があると言ってたし、体育や健康診断を受けてないし、見ようによっては女の子にも見えるからな……っと、これは無神経だったか。それに、そのつもりは無かったが妊娠の心配は無いなどと酷いことを言って済まない」
真摯な顔で、頭を下げた。
「いや、気にしてません……けど、驚かないんですか?」
「だいぶ前にTVでそういうのが出ていたからなんとなく調べてみた、だから知識はある。2000人に一人はいると言うから、2、3校に一人ぐらいいても不思議はなかろう?」
俺は、体のことをあっさりと受け止められて呆然としていた。
「さて、どうしたものかね? 最近ではカミングアウトしたりセミナー開いたりして、理解を求める者も多い。学校としてもそういう生徒がいるなら協力するべきだと思うが」
申し出はありがたかった。だが、どうしても初潮を迎え晒し者にされた女子が脳裏に浮かぶ。
御堂先生の目には理知的な光を感じる。小学校時代、楽しそうにダッチワイフの出来損ないを抱えて合体させていたキ○ガイ教諭とは違うことはわかる。それでも……。
「……ふむ、周りの者が差別感情を抱いてしまうとしたら、それは抑えきれるものじゃないし、そういうのを抜きにしても自分の体のことを知られたくないって人はいるだろうな。理解を求める人たちの活動を否定はせんが、お前が望まないなら私は何もしないよ。それでいいか?」
「……っ、……っ」
何よりもありがたい申し出に、ただ頷くしか出来なかった。先生の言うとおり、特別扱いなんて嫌だし知られたくない。俺はやっぱり男として生きたい。
「……わかった」
御堂先生の暖かい手が俺の肩に乗る。
恐かった。体のことを知られて、それをダシに酷いことされるんじゃないか? 周りにばらされるんじゃないかと不安だった。
更には、悪意ではなく、純粋な善意で公表されるんじゃないか? 変な思想を主張するためのシンボルにされるんじゃないか? とも考えてしまった。
だが、御堂先生は本当に俺のことを考えてくれていた。
「ありがとう……ございます」
「長嶺、本音を言うとな……」
真剣な声に不安感がぶり返す。立場上態度に出さないだけで、やっぱり気持ち悪いと感じてるんだろうか。先生自身が言っていたことだ。差別感情を抱いてしまうとしたら、それは抑えきれるものじゃないと。
「正直言うと……」
その先の言葉は聴きたくない。でも、御堂先生に浴びせられるなら、それを受け止めよう、そんな覚悟とともに顔を上げる。
「余計な仕事が増えなくて、私としてもありがたい」
「は、はは、ははは……」
安心したり不安になったりで忙しく、気が抜けてしまった。
「……期せずしてお前の体の秘密を知ってしまった。これでは不公平だから私の体の秘密を教えよう」
なにやら小悪魔的な笑みを浮かべ、俺の手をとった。
「え? え? え?」
動転してるうちに、御堂先生は白衣の下に覗く黒のスカートの中に俺の手を導いていった。
「わ! ちょっと!」
「ふっふっふ」
俺の手を掴む手とは反対の手を股間に突っ込む。スカートが捲れあがらないよう器用に中でパンツをずらしているようだ。そして、俺の手をそこに引っ張る。
噂は本当だったのか? やっぱり俺は喰われてしまうのか?
【2】
脳裏に浮かぶ隠微な光景に、俺の中の『男』と『女』が色めき立つ。
いや、そもそも御堂先生の体の秘密って? まさか、俺と同じ体? だからあっさりと俺のことを受け入れたのか?
指先に感じる暖まった下着のさらさらとした感触、熱気と湿気を感じる空間、きめ細やかな肌、ぶっくりとした土手とかすかに開いた割れ目、そして……。
「……あれ?」
「んふっ……どうだ、無いだろう?」
切なげな息を漏らした御堂先生は、何かを自慢するように言う。
「はい……えっと、どうしてですか?」
そこは、俺の股間にある突起の向こう側の部分、女性の部分と同じ状態であり、御堂先生のそこにあった突起は想像してしまった棒状の物ではなく豆粒のような小さな物だけだった。
無かった、少なくともチンコは。いや、無かったのはそれだけではなかった。
「生えてないだろう?」
「えっと……ノンケ?」
「当たり前だ! あ、いやその。ノンケってのはそういう意味じゃなくて……」
ハッと我に返り、咳払いする。
「お前は知らなくていい、変に汚れるな」
よくわからないけど、たぶん手遅れです、先生。
「とにかく、コレは無毛症というれっきとした病名があるんだ」
「無毛症……って、うわっ!」
しばらく硬直していたが、俺がドコに手を突っ込んでるかに気付き、慌てて手を引き抜いた。
「―――――!!!!!!」
御堂先生は目を硬く瞑り、股間に手を当て前かがみで唸る。
「あ、あの……」
「まだ濡れていないのに急激に擦る奴があるかバカ者! お前にだってあるのなら分かるだろ!」
拳骨を食らう。
「うぐぐ……ごめんなさい。というか、濡れてたらいいんですか?」
「くっ……生徒相手にそんなことするわけにもいかんか。まあとにかくこういうわけでな、お前が背負ったものに比べれば大した問題ではないのだが、これが私の体の秘密だ。結構コンプレックスだったのだよ」
「そ、そうだったんですか……」
御堂先生は大柄な体格に比例して胸も大きかった。そんなナイスバディな彼女の股間がつんつるてんだったとは。
「さて、本題だ。最近ではコレの治療法などいくらでもある、なのにそのままだ。どうしてだと思う?」
「えっと、それは……恋人が、ソレを綺麗だと言ってくれたとか?」
再び殴られるのを覚悟で言ってみる。
「うむ、正解だ、愛しのマイダーリンはそう言ってくれたよ」
力強く言う。
「もし私の夢がヘアヌード写真集の出版だったり愛しのマイダーリンの性癖が毛剃りプレイだったり、そもそも、いざ、Hする運びになったとき愛しのマイダーリンがょぅι゛ょを相手にしてるような気分になって萎えたならコレは障害と言えよう」
「……え”」
なにやら話の内容が怪しくなってきた。
「だが、愛しのマイダーリンは純粋無垢な天使のようだと言ってくれた。ムチムチなボディとょぅι゛ょのようなアソコのギャップが辛抱たまらんと言ってルパンダイブして、激しく、かつ優しく私を可愛がってくれたのだ。だから、コレは私の個性、チャームポイントなのだよ」
御堂先生は胸に手を当て、物凄いことを、まるで自慢の宝物を見せるかのように照れながら語った。
俺は、あることを思い出した。
我が家がアパート暮らししていた頃、上の部屋に自閉症の子がいて奇声やこだわり行動でとんでもない迷惑を被っていた。
確かに大変なのは他ならぬ本人でありその家族だ。
とはいえ実際に迷惑、いや、迷惑なんて言葉じゃ済まされない被害を被るとあまり同情は出来なかった。
そのため、最近になって声高に叫ばれるようになった『障害は個性』という主張には反発を抱いていた。
だが、御堂先生が語った物凄い事例には同意できた。
「さっきも言ったように、お前が背負ったものに比べれば私のおケケなど大した問題ではないだろう。だが、お前の半陰陽も障害なんかじゃなく個性として堂々と生きていけるといいな」
御堂先生は力強く言って俺の肩をばん! と叩いた。
自分の特徴を障害にするも個性にするも、本人の生き様しだいなのだろう。
だが、俺はどうすればいいのだろう?
俺のこの体……個性としてやっていけるのかな? 御堂先生の彼氏みたいに、美雪や勝也は受け入れてくれるんだろうか?
……って! 俺は今ナニを考えた!?
御堂先生のノロケ話と自分を当てはめると、あれこれ妙な想像を膨らましてしまい顔が火照ってくるのを抑え切れなかった。
それを見て御堂先生は優しく、それでいて凶悪な笑みを浮かべる。
居心地が悪くなり、
「ところで、俺に生理があると言うことから、なんで真っ先にこういう体だと判断したんです? それよりは、俺が男のフリしてる女だと考えるほうが自然だと思うんだけど」
と、話を逸らしてみた。
「ん? 少なくともお前は射精可能な体であることははっきりしていたからな」
「へ? な、何で?」
「お前は健康診断こそ受けていないが、検尿は学校に出していただろう?」
非常にいやな予感がした。
「お前は引っ掛かってたよ、たんぱくで」
「Noooooooooooっ! って、さ、再提出はさせられてなかったはずだけど」
「言ったろう? 生徒のプライバシーは尊重すると。残った尿をもうひと手間かけて調べた結果、たんぱくの出所は健康な青少年ならではのものだと確定したよ。病気なんかじゃないから安心したまえ。はっはっは」
「Noooooooooooっ!」
……合掌
「さて、医者には相談しているのか? 体を調べられるのは嫌だろうが、ホルモン異常は下手したら命に関わるのだから……って、健康診断は民間の病院で受けて診断書をこっちに提出してたんだからああいうのはちゃんとしているか……」
「はい。調べたところ、うまくバランス取れてるからこのままでいい、むしろどっちかに合わそうと手術したりホルモン剤飲んだら大変なことになるそうです……けど、なんか残念そうですね?」
「うむ、仕事柄、生徒の体の悩みに乗ることも多くてな。さすがに半陰陽は専門外だが検査にかこつけ……あ、いやそのあの」
赤面し咳払いする。俺の体のことを真摯に考えてくれているが、根底には腐女子どもに通じるモノを持っているようだ。
だが。
「えっと……俺の体、見てみます?」
この人には、俺のことをもっと知って欲しいと思えた。
「む? いいのか? さっきも言ったように専門外なのだからお前のかかりつけの医師以上のことなどできないぞ」
「……とか言いつつも嬉しそうですね。まあとにかく、専門のお医者さんではなく、保険の先生として見て欲しいです。かかりつけのお医者さんはソレこそ俺が赤ちゃんの頃からの付き合いだから体のことよく知ってるんだけど、だからこそ、聞きづらいこともあって」
あのお医者さんとは、親戚のおじさんのような感覚になってしまった。だから命に関わるような問題以外ではなかなか踏み込んだ話が出来なくなっていた。
「……そうか。では、大好きな保険の先生にHなおねだりしちゃうおませなボクの/私のぷにぷに、という路線でどうだ?」
なんなんだその路線は。
「よくわからないんですけど……」
「その……なんだ。年頃だからな、男女問わず自分の体は変なんじゃないかと悩む生徒は多いのだよ。安心させてやるためにも、きちんと調べねばならんのだ」
職業倫理に忠実である御堂先生は検査にかこつけワイセツな行為をしたりはしないだろうけど、そういう願望が無いわけではなさそうだ。
彼女の目に宿った光は、理知的なものから腐女子どものような爛々としたものに変わり、危険なものを感じる。
でも。
「うう……俺も、そこが不安なんです。見て……もらえますか?」
実を言うと、恥ずかしくてここ数年はかかりつけの医者にもアソコや胸は見せていない。採血や問診だけで済ませているのが実情だったりする。
だからこそ、俺のことを真剣に考え、安心させるために自分の体の秘密まで教え、あまつさえ触らせてくれた御堂先生になら、さらけ出してもいいという気になっていた。
静寂に満たされた保健室に、ごくり、と御堂先生が生唾を飲み込む音が響き渡った。
「胸、こうしてるんです」
勇気を出して学ランの前を開き、Tシャツを捲り上げる。
「む!? 何と、まぁ……急激に発育した胸がコンプレックスになり小さめのブラで無理やり押さえ込んでる生徒はいたが、さすがにサラシはいなかったぞ」
「そりゃあ……俺、男として生きたいから」
覚悟を決めサラシを解いてゆく。それを見守る御堂先生は顎に手を当て、不敵な笑みを浮かべた。
「ふむふむ、柔らかい塊が徐々にはみ出てくるのがエロくていい感じだな。私も愛しのマイダーリンの前でやってみるか」
「……ご自由にどうぞ」
「子供の頃はよくお医者さんごっこしてたな。今のように保険の先生という設定だったよ」
「はぁ……子供の頃からの夢だったんですか」
サラシが解けてゆくにつれ呼吸が楽になる。
「あのとき、オチンチンが生えてきたと相談する子が居てパンツ脱がしてたりしたなぁ……いやぁ、懐かしい」
「あの、コレはごっこなんかじゃないですからね?」
サラシは完全に解け、乳房があらわになる。
「わかってる……ふむ、なかなかいい形ではないか。ちゃんとサイズに合ったブラをつけないと発育が阻害されるし形が崩れるぞ?」
「あの、形がよくてもでかくなっても困る……」
「ふん、贅沢者め。私なんかお前ぐらいの頃はぺったんこでつけてなかったんだぞ? それなのに高校に上がってから急にでかくなってこの有様だ」
「あの、憮然とした顔でご開帳して黒のセクシーなブラつけた胸を見せつけてそんなこと言われても」
「ようやく膨らみ始めたと思ったら今度は急激に成長したから、いざ買いに行ったらもう大人用しか合うのはなかったんだ! こういうAカップやBカップの可愛いジュニア用は付けたくても付けられなかったのだよ!」
「あの、引き出しから出した純白のブラを握り締めて力説されても」
「それなのになんだ貴様は! せっかく可愛いのにサラシなんかで圧迫して! そりゃあ、ソレはそれでそそられるものがあるが」
「……ぁ、あの、俺の胸揉みながらそんなこと言われても」
「ほら似合うぞ、可愛いじゃないか!」
「あ、あの、手際よく装着しながらそんなこと言われても」
「さっき言ったようにコンプレックスやら見栄やらでサイズ合わないブラをつけてる女子もいる、だから色々なサイズを用意して今みたいに選びかたや着け方を指導することもよくあるのだよ! ほら、どうだ?」
「あの、その、うう……」
サラシの窮屈な感じと比べれば圧迫感がなく、なおかつ胸が支えられた感じがしてラクなのだが、俺の中の『男』は女装する変態になったような気分になりただひたすらに嫌悪した。だが『女』は下着の様々なコーディネートを考えはしゃぐ。
「……はっ! す、すすす済まない! お前は男として生きたいのだったな、なのに女物の下着を着せるなんて無神経だった。申し訳ない!」
素早くブラを回収して深々と頭を下げた。
「……いや、気にしてないです」
胸にある二つの膨らみが重力に引かれる感じがしてどうもきまりが悪く、胸を抱きかかえる。
「……さて、どうしたものかね? お前が特別扱いを求めず男として暮らすなら、これまで通り体型をごまかすしかないし、乳房の発育は困るのか。大きくするアドバイスならよくしていたが、小さくするにはなぁ……」
腕組みして考え込む。
「要するに逆のことをすればいいわけだが、所詮は脂肪の塊なのだから、小さくするなら結局やることは過激なダイエットと変わらなくなる、成長期の女子にはお勧めできん。もちろんお前の体だって悪影響は出るだろうしなぁ……」
真剣に考えてくれてるのは嬉しいが、真剣すぎてご開帳したことを忘れてしまってるらしく目のやりどころに困る。
「あ、あの……あまり気にしないで。それより……俺、可愛かったんですか?」
「健康的な生活してれば否応ナシに体型はよくなるわけだから、それを変えようとしたら健康にいいわけが……ん? ああ、お前は不本意かも知れんが可愛いぞ。不安だろうけど、受け入れてくれる者だっていくらでもいると思う。男子なんかイチコロだ」
力強い笑みを浮かべた御堂先生の男子はイチコロという言葉で、さっきの純白のブラや千尋さんから有無を言わさずプレゼントされてしまった横シマ模様のブラを身に付け、勝也に見せ付ける光景を想像してしまい、顔が火照ってきた。
「ほほう、乙女心も併せ持ってるのか。面白いな」
「あぅ。そ、それより……」
御堂先生はブラになみなみならぬ思い入れがあり我を忘れてしまったのち、真剣に考え事をしたためご開帳した胸をそのままにしていた。
そしてそのまま俺に向き直り、身を乗り出した。
そのため『女』は憧れを抱き、『男』は……。
「ほほう、男は男で反応するのか。不謹慎だが面白いな……いや、これは、すごいことだな」
御堂先生は慌てて股間を押さえる俺の手をどけ、ズボンの中で窮屈そうにしている『男』を掴んだ。
女性に掴まれること、そして揺れるでかい胸が目に入り、否応なしに昂ぶる。
元気になった俺のチンコに御堂先生のほっそりとした指がズボン越しに添えられる。やはり、噂どおり喰われるのか?
【3】
……などと考えてしまったが、御堂先生の目は、腐女子な爛々としたものとも、楽しそうにダッチワイフの出来損ないを抱えて合体させていた養護教諭の狂気に満ちたものとも違う、理知的な光を湛えていた。
「この先……は、お前が望まないのであれば見せろと言うわけにはいかんな。プライベートな部分だ」
「もっともらしいこと言ってないで、見たいんでしょ? 実際、俺も不安だから見てもらわにゃならないし……さっき、見せてもらうどころか触らせてもらったんだから、そのお礼です」
胸よりも格段に勇気のいる部分をさらけ出すため、ズボンに手をかける。
「ふむ、具体的にはどうなのだ?」
「……こうです」
ズボンとともにパンツも一気に下ろし、片足を抜いて丸椅子に座りなおしゆっくりと股を広げた。
御堂先生の顔をまともに見ることが出来ず目を逸らす。
「ほほう……ネットで見た画像じゃどっちも不完全で『男でも女でもない』感じだったが、お前のは『男でも女でもある』感じだな。本当にいるんだな、こういうのも。はっきり言って変といえば変だ」
「……あぅ。そ、そりゃあ、そうですよね」
「だが、それぞれ単体で見たら普通な感じだぞ」
「うぁ!」
女の部分に指が添えられ、ゆっくりと開かれた。
「女性器周辺のぷっくりとした感じも、割れ目の大きさも、広がり具合も色合いも歳相応、平均的だ」
「うぅ……」
開かれた女の部分に先生の息がかかりくすぐったい。
「生理も軽いほうだろうな、もう出血は止まっている」
「そう、ですか……よくわからないけど。体が安定してきたら大して痛みもなくなってきたし……」
「羨ましいな、私は重いほうなのでな。さて、普通の女ならここ……さっきお前が思い切り擦り上げた部分に敏感な陰核があるわけだが、お前の場合はソレが肥大して割れ目を押し広げるようにして陰茎になってるのか。胎児の段階ではパーツが共通してるからこうなるわけだな、なるほどなるほど」
さっきからずっと根っこの辺りを広げたりチンコの先端を摘んだりしている。腐女子どもと違い、いやらしくはなく事務的だった。
「ふむん……睾丸こそないが陰茎の大きさも形も歳相応、大きくも小さくもないな。さて、包皮に覆われてるが……」
先端を摘み、ゆっくりと周辺の皮を押し下げ簡単に剥いてしまった。
「う”!」
「よかったよかった、コレなら手術は要らんな」
「要らないんですか? 雑誌なんかじゃよく広告出してるけど」
「阿呆、あんなの業界の陰謀だ、鵜呑みにしちゃいかん。こうして勃起しててもちゃんと剥けるんだから問題ない」
「そう……なんですか?」
「うむ、たいした問題じゃない。だからこそ、仮性には保険が降りないのだ。もっとも、世の中には生命維持のため必要なものにもかかわらず公費が下りないケースもたくさんあるのだがな」
「はぁ……でも、なんか成長に影響があるとか聞いたんですけど」
「ソレについては個人差があるからなんとも言えん。まぁ、外人がでかいってのは、生まれてすぐ手術してしまう習慣のせいかも知れんが……なぁ」
なにやら赤面し、遠い目をしていた。
「何なんです?」
「その……なんだ、確かにでかいことはでかいんだが、フニャフニャだった。赤ん坊の頃からむき出しで刺激に晒されてるせいか感度もイマイチらしく、前の男は激しい動きでソレを補ってたフシがある」
「は、はぁ……」
元彼は外人? で、別の人がダーリン?
「いいか、でかけりゃいいってもんじゃないことを肝に銘じておけ。大事なのは……」
そう言って得意げに自らの胸をポンと叩く。
「えっと……胸?」
「……まぁ、胸でしてあげることもあるがそうじゃない。ハートだ、ハート」
なんか落ち込んでいた。
「ハート……心?」
「そうだ、今の愛しのマイダーリンもお前同様に仮性でな、そんなに大きくもない。テクもイマイチだ」
「……え”」
溜息とともに、物凄いことを暴露した。
「入れるまではケダモノなのだが、いざ入れてしまうとナニが敏感で刺激が強すぎるらしく、苦しそうに身をよじっていた。でも、私を気持ちよくさせようと一生懸命でな、刺激を堪えて頑張るサマが可愛くて、ついついいぢめてしまうんだな、これが」
赤面し、照れ隠しに俺の肩をバンバンと叩いた。なにやら猥談のような、ノロケのようなものすごい話になってきた。
「えっと……要するに、惚れてしまえば欠点も母性本能をくすぐるチャームポイントになるってことですか?」
「うむ、少なくとも私にとってはな。それに皮があるならソレを活かしたテクニックだってあるぞ?」
「は、はぁ……」
自分の夫婦生活(?)を暴露して、一体ナニを考えてるんだと思っていたが、要するにそうやって、身体的欠陥も本人の生き方次第で個性に出来ると言いたいのだろう。
コンプレックスでしかなかったこの体も、体とプライバシーを張って示してくれた御堂先生の考え方に触れた今は肯定的に捉えることが出来そうだ。
だが……。
「むぅ、青少年に私の話は刺激が強すぎたか」
御堂先生は顎に手をあて俺の股間を凝視する。
「……あぅ」
御堂先生の話と、直に触ってしまった御堂先生の股間は妄想を止めることを許してくれず、股間は激しく昂ぶっていた。
「このままじゃ外には出られんな……抜くか?」
「なっ……!!」
「その調子じゃトイレにも行けそうにないだろう、ほら」
そう言ってティッシュを差し出してきた。
「ほら……って、ここで?」
「気にするな。オナニーの指導も大事な仕事だ」
「ソレ絶対違う!」
「違わない。経験が浅くて苦痛と快感の区別がつかず、偏った知識のため体にダメージを与える過激な行為をしていた女子がいたからな。お前がどうしているか、少々気になるのだ」
純粋に心配しているようだが、声は上ずり、目には腐女子的な爛々とした光が宿っていた。
「うぅ……何で、また胸をご開帳してるんですか?」
「オカズがいるだろう? ほら。それとも、コレだけじゃ物足りないか?」
先生は再び自らの股間に手ををやったため慌ててかぶりを振る。
「胸で充分……過ぎます。わ、わかりました、しちゃいます」
激しくいきり立ったチンコと、すっかり濡れそぼった女性の部分に手をやる。
「ふむん、そっちもちゃんと機能してるのか」
「んっ……く……ふぅ……こんなふうに、擦りながら中に入れるんだけど」
女性の部分に指を進入させる。その刺激に体が前屈した。
「ふむふむ、別々に見れば男としても女としても普通だな。痛くないのなら、そのやり方で大丈夫そうだ」
「そう……ですか」
胸が切なくなってきたため、チンコを擦っていた手を乳房に導く。全体的に回すように揉み、乳首を親指の腹で擦る。
だが、今度はほったらかしになったチンコが切なくなり、手は胸と股間を行ったり来たりさせるようになった。
「揉んだら血行がよくなるから成長が促されるかも知れんが、個人差があるからなんとも言えん。でかけりゃでかいで肩が凝ってロクなことが無いし、お前の場合はなおのこと困るな……って、そうじゃない。忙しそうだな、手伝ってやろうか?」
何やら楽しそうに言う。
「て、手伝うって……」
実を言うと腐女子どもに攻められて以来、男女両方と乳房を同時に攻められるのが病みつきになってしまい、一人ですると物足りなくなっていた。
「遠慮するな、そら!」
両手が股間に向かって無防備になっていた胸に御堂先生の両手が当てられた。
「うぁ……!」
不意の刺激に背筋が収縮する。
「形も揉み心地も感度も上々、せっかくこんなイイのがあるのに、サラシなんかで圧迫しておくなんて勿体無いではないか」
「そんなこと言われて……もっ!?」
絶妙な揉み加減がもたらす刺激で急に快感が膨れ上がり、せり上がってきた。
「お、イキそうなのか? ちょっと我慢してろ」
「え……? ん……くぅ……っ!」
チンコに何かの容器をかぶせられ、その刺激で限界に達しその中に放出してしまった。
男女双方が絶頂を迎え、快楽が体内を暴れまわるのを身を強張らせて堪える。
そして、いったん収縮した全身が弛緩し、気が遠くなった。
「おー凄い凄い、たくさん出たな。健康な証拠だ……って、こら、しっかりしろ!」
丸椅子だったため背もたれが無く、背中から倒れそうになるのを御堂先生が抱きとめてくれた。
そのとき、
「あ、済みませ……んぁ!? ちょ、ちょっと……駄……目……!!」
全身をふかっとした体で力強く抱きしめられたとたんに、いったん引いていた快楽の波がふたたび暴れだして爆発し、激しく全身をのけぞらせた。
全身を暴れまわる快感を硬く目を瞑って堪える。
「ありゃ、絶頂の余韻が残ってるのに急に抱きしめたからか。可愛いやつめ」
そう言った御堂先生の目は、慈愛に満ちたものから爛々としたものに変わった。
「あ、あの……先生?」
「……い、いかん! 養護教諭ともあろうものがこれ以上の破廉恥な行為など! 済まない!」
身を離した御堂先生は激しくかぶりを振って劣情を振り払い、頭を下げていた。しかしコレまでの行為で充分に問題がありそうに思える。
「まあ、とにかく後始末しろ」
改めてティッシュを差し出してきた御堂先生は、さっきの容器を手に机に向かった。
「あの……何してるんですか?」
完全に満足し弛緩した体を拭きながら聞く。
「ん……と、よし! ちょっと見てみろ長嶺!」
襟首を引っつかんだ御堂先生は机の上にある物体……顕微鏡に肉薄させた。
覗いてみると、レンズには元気に泳ぐオタマジャクシのようなものがたくさん映っていた。
「あ、あの、これって……」
「おめでとう……と言うべきかな、お前の精液にはちゃんと種がある。生物学的には父親になれるぞ?」
保健体育の時間、未熟な人間の後先考えないセックスとその結果の妊娠、出産がどんな悲劇を招くかを熱心、かつ生々しく語っていたのが御堂先生だった。
こういう先生だから、親という言葉の意味が生物学的か人間的かの違いにはこだわりがあるようだ。
「まったく、お前の体はどうなってるんだろうな。精子の生産に都合のよい温度は体温より低めだから、そうするために玉は露出してるわけだが、お前の場合、精巣はおそらく腹の中に収まってるにも関わらずこの量だ。お前が完全な男だったら絶倫なんじゃないか?」
「は、はぁ……」
「ちゃんと避妊しろよ? ま、その前にそういうパートナーができ、万一のときは責任取れるように自分を磨くんだな」
御堂先生はそう言って笑いながら、俺の背中をバンバンと叩いた。
保険の授業を思い出す。
授業から少々脱線していたが、子供を生み、一人前に育てるのにどれだけの金や労力がかかるか。いま俺達がごく当たり前のように享受している生活のために親がどれだけ大変な思いをしているか、してきたかを徹底的に調べさせられた。
この前最終回を迎えたイケ面俳優が出てくる人気のドラマを題材に、青春を謳歌するといえば聞こえがいいが大して勉強せず遊びほうけた挙句に妊娠させた学生が責任とって結婚するなどという展開が現実になったらどういう末路を辿るか? 今の俺達のような生活レベルは保障できるのか? さまざまな問題点を俺達に考えさせ、シミュレートさせていた。
その結果DQN路線を辿る可能性が高いという結論に達し、ただ結婚すりゃ責任取れるというものではないということが痛いほどよくわかった。
自分を磨く……大変だ。親になるとは、大変なことなのだった。
数日後、廊下で御堂先生に会うなり保健室に引っ張り込まれた。
「長嶺、愛しのマイダーリンの前で、アレ……やってみたよ」
「アレ……って、サラシ?」
「うむ、ゆっくりと解いていたら、ダーリンはすっかり興奮して完全に解き終えるまで我慢できなくなったらしく、解けたサラシの一端を引っ掴んで思いっきり引っ張られ、クルクル回されてしまったよ」
「そ、それって……」
「よいではないかよいではないかあ〜れ〜♪ な、お代官様状態で燃えたよ。夜の生活のレパートリーが増えた、ありがとう」
そう言って抱きしめてきた。
「は、はぁ……」
先生の豊満な胸に顔がうずまる。
「お前にも、そんなお代官様が現れるといいな」
その言葉に妄想が爆発する。なぜか、俺のサラシは勝也だけではなく美雪も嬉々として引っ張っていた。
そして、赤面する俺を御堂先生は優しい目で見つめるのだった。
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